「躍進」─。
多くの剣道の道場にはそれぞれの団旗があります。色や書いてある言葉は団によって様々で、大会等に行くと色々な団旗が掲げられています。私たち喜沢剣信会は「躍進」という言葉を団旗として掲げ、日々の稽古に励んでいます。
剣道の理念は「剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である」と言われており、日々の稽古を通じて技や体力だけではなく、心を鍛える、精神的な成長を目的としています。
剣道の稽古で身につけた強い心で、剣道の試合・昇段審査の結果だけではなく、普段の生活や学業でも、それぞれの「躍進」に繋がっていけるような道場を目指しています。
稽古開始時間、上級生の号令で全員揃っての準備運動と素振から喜沢剣信会の稽古は始まります。
その後、面付け組・はちまき組ともに1列に並び、先生の指導のもと足さばきの稽古。休憩・水分補給をはさみ、1列に並び「礼」をします。「黙想(もくそう)」、「正面・先生方への礼」をし心を整え、子供達の力に合わせて、いくつかのグループに分かれそれぞれの稽古にうつります。
最後に再び全員で並び「礼」をし子供の部の稽古は終わりです。
※一般会員でも基本打ちの稽古を希望の方は小学生・幼児の部に参加して稽古しています。
子供の部の稽古が終わると、指導者をはじめ中学生以上の一般会員・近隣道場からの出稽古の方達により地稽古(自由稽古)が行われます。小学生の部の稽古で物足りない元気な子供達も残り稽古として参加しています。大きめの体育館が手狭と感じる程に賑わうこともよくあります。
喜沢剣信会は、1977年(昭和52年)4月に埼玉県戸田市喜沢1丁目、2丁目地区の有志の方々により、地元青少年の健全育成を目的として設立されました。設立当初から戸田市立喜沢小学校の体育館を道場とし、一時期は100名を越える会員が心身鍛練の為稽古に励み、埼玉県内外の大会で優秀な成績を残しています。現在はやや規模は縮小していますが、2019年(平成31年)には創立42周年を迎え、会設立当初からの伝統を脈々と受け継ぎ、活発な活動を続けています。喜沢剣信会で稽古に励んだ会員は、現在は会社員、自営業、教職員、警察官など、社会の幅広い分野で活躍しています。また、子供たちだけではなく、一般の人々にも門戸を大きく開き、近隣の幅広い年齢の方が集まり、世代を超えてともに剣道を学び合う会として活動続けています。
(小川 智之 記)
喜沢剣信会は、2014年(平成26年)11月3日に、全日本剣道連盟から「少年剣道教育奨励賞」を授与されました。 喜沢剣信会は1977年(昭和52年)に設立し、40年以上の長きにわたって、多くの先生方が地域の子供達に指導を続けてきた事が評価されての受賞と認識しております。今では、喜沢剣信会で育ったメンバーが指導者の中心になっています。これからも末長く地域に貢献できればと思っております。